データ管理
大規模かつ複雑なデータセットを扱うユーザーの期待に応える
コアラボでの画像生成量は驚異的に増加しています。機器性能の向上、試料取り扱いや染色法の改善、長時間にわたる相関撮影、自動ワークフローなどによって、データの量は増える一方です。膨大なデータ生成をサポートするデータ管理プロセスは、コアラボの重要な役割です。データ取得から保存、ビジュアライゼーション、処理、解析、共有までのデータ管理ワークフローを検討する必要があります。強力かつ拡張可能なソリューションを使うことで、コアイメージングラボはユーザーからの増大するデータニーズに応えることができます。
大きなデータセットの追跡とアクセスを可能にするデータストレージ
コア施設での最適なデータ管理の原則は、一度保存された画像を移動させないことです。このようなデータ管理方法はアクセスを簡単で確実にするだけでなく、デジタルデータのFAIR原則(見つけられる、アクセスできる、相互運用できる、再利用できる)に則っています。
コアラボのデータ管理ソリューションを施設のITインフラと連結させる場合は、特にセキュリティやデータ量の面で大きな課題に直面します。複雑なサーバーや、関連するデータ管理ソフトウェアを維持するIT人材への投資も困難なケースがあります。
ZEISS ZEN Data StorageとWindowsサーバーを組み合わせることで、こうした問題を解決できます。ZEN Data Storageは30分以内に遠隔インストールが可能です。施設内のすべての機器とオフラインのワークステーションを連結するサーバーネットワークによって、ユーザーは一箇所にデータを保存し、コピーを作成することなく、どの機器からでもアクセスすることができます。アクセス権や各ユーザーが利用できるストレージサイズをコントロールできるほか、このソリューションにはウェブインターフェースを使ってどこからでも遠隔アクセスが可能です。これにより、世界中の共同研究者と、データセットに関してリアルタイムにコンサルテーションやディスカッションをすることができます。
中央ストレージと中央データ処理の統合や、データ管理ワークフローのクラウド組み入れの際には、arivis VisionHubがデータ処理と解析の強力なソリューションとなります。拡張性にも優れており、ハイコンテントスクリーニングなどの複雑なアプリケーションにも対応し、施設ユーザーのニーズに応える最適な中央データ管理システムです。
施設ユーザーのデータ管理に最適なソリューションを選ぶことは、データセットのコピーの問題を防ぎ、追跡、アクセス、拡張を確実にするために重要です。
複雑なビッグデータセットのビジュアライゼーション
イメージング機器の性能向上により、データセットの量と種類は増加しています。これらのデータセットを3D/4D/5Dで可視化するための処理には、ますます多くの計算が必要になってきます。ユーザーが多次元のデータセットを可視化したり、構造や関心領域を定量化したりするには、データのサイズや量に対応できるソフトウェアを施設内に備える必要があります。強力なコンピューターシステムとデータセットの高速処理に適したソフトウェアの組み合わせによって、ユーザーはイメージング機器で取得したデータを「視覚的に」確認することができます。
ZEISSでは、求められるサイズと目的に合わせたデータビジュアライゼーションのソリューションをご用意しています:
- arivis Vision4D:あらゆるサイズのマルチチャンネル2D/3D/4Dイメージングに対応するモジュール式のソフトウェア。arivis Vision4Dは、100 GBを超えるデータセットを常に扱うユーザーにおすすめのソリューションです。arivis Vision4D独自のImageCore技術はRAMに依存しないことから、どんなに大きなデータセットでも取り扱うことができます。
- ZEISS ZENソフトウェア:すべてのZEISS光学顕微鏡に対応するユーザーインターフェースには、arivisによって設計された3Dビジュアライゼーションエンジンが搭載されています。従来のソフトウェア環境で、およそ100 GMまでのデータセットの3D処理を問題なく実行できます。ZENの性能はハードウェアに依存しており、大容量RAMと高速SSDドライブがあれば500 GMまでのビックデータの処理も可能です。
- ZEISS ZEN lite:ZEN liteでは、高性能の3Dビジュアライゼーションツールを無料で利用できます。ユーザー自身のPCを使って、優れたイメージビジュアライゼーションが可能です。
高度な処理と解析に対応
画像取得は多くの場合、定量的データを得るための複雑な実験ワークフローの一工程に過ぎません。実験の計画と構成、その後のデータ処理・解析法の選択が、施設ユーザーが正確で再現性のある結果を得るための鍵となります。
ZEISSでは多彩な画像解析法を利用でき、ZEN Bio Appsなどの使いやすいソリューションがイメージングソフトウェアに搭載されています。複雑な解析や100 GBを超える大きなデータセットを含むアプリケーションには、arivis Vision4Dプラットフォームが強力なソリューションになります。解析方法のカスタマイズが必要な場合には、クラウド型ソリューションのAPEERプラットフォームがフレキシブルで透明性のあるプロセスを実現します。研究者がプログラムした新たな解析法を、APEERを使ってワークフローに簡単に組み込むことができます。透明性のある安心なプロセスで、プログラミングの知識は必要ありません。
画像処理能力が画像データ活用の障壁となるケースが増えており、めまぐるしく変化する施設ユーザーの実験に対応するには、最新の処理・解析手法を使えるようにしておく必要があります。
機械学習による効率と再現性の向上
コンピューターの性能向上に伴い、特定の物体の認識と分類をニューラルネットワークに学習させる手法が使えるようになりました。実験の成功と結果の再現性のためには、セグメンテーション、再現、分類に最適な機械学習手法を選ぶ必要があります。特定の物体のセグメンテーションであっても試料の撮影領域の同定であっても、機械学習の様々な手法を用意することで、施設ユーザーは最適な結果を得ることができます。
ZEISSはアプリケーションに合わせた様々な機械学習ツールをご用意しています。ZEISS ZEN Intellesisでは、セグメンテーションを簡単に訓練・実行することができます。使いやすさがユーザー獲得の決め手となることの多いコア施設の環境にとって、ボタン一つで操作できるモジュールは理想的です。深層学習ニューラルネットワークを、APEERプラットフォームやU-Netのような公開ネットワークを使って訓練し、ZEN Intellesisで実行することもできます。こうすることで、ZEISSユーザーに馴染みの深いZENインターフェースのみを使った、機械学習によるフレキシブルなセグメンテーションが実現します。
時間や人手が限られている場合でも集中して研究に取り組んでいただけるよう、ZEISSがユーザーに代わってニューラルネットワークを訓練するカスタムサービスをご用意しています。こちらのサービスにご興味のある方や、カスタマイズされたソリューションを必要とされる方は、ぜひお問い合わせください。