発生生物学における画像解析事例
発生生物学は、生物の成長と分化を司る複雑なプロセスを探求する分野です。この分野の中心には、発生ステージの様子を詳細に観察し記録するための高度なイメージング技術と強力な画像解析ソフトウェアが必要不可欠です。
多様なアルゴリズムやフィルター、測定を使用することで、様々な関係を簡単に定義し、定量化できます。また、グラフや図で簡単に可視化して表示できるほか、柔軟なエンドツーエンドのパイプラインを数クリックで作成し、研究の問いに答えることが可能です。
使いやすいツールや機能により、発生生物学アプリケーション向けの画像解析を効率化できます。ルーチン作業から詳細な解析まで、ZEISSの強力なソフトウェアは市場投入までの時間を短縮するのに役立ちます。
ダイナミクスと追跡
様々なサイズの対象物を追跡し、多様なパラメータを測定:完全な制御とインタラクティブな操作を通じて再現性のある結果を迅速に取得
複雑な生物データの追跡において鍵となるのが自動化です。ZEISS arivis ProのTracking Moduleは、任意のサイズ(数100GBから数TBレベル)の2Dまたは3Dマルチチャンネル画像セット内で、小さな対象(粒子の追跡など)から大きな対象(細胞核や細胞、組織)までの動きを経時的に解析できます。様々なパラメーターを追跡し、幅広い測定を適用可能です。速度や平均速度、移動タイプ、最大距離の自動検出、ベクトル表示(ヘッドとテイル)、重量の調整、時間経過による分裂など、多様なパラメータを追跡し、測定することができます。
さらに、自動追跡アルゴリズムが高いパフォーマンスを実現します。AIベースのセグメンテーションや強化された校正機能により、多次元データセットの追跡と系譜解析をサポートします。これにより、追跡タスクにおいて、再現性のある結果と有意義な出力を簡単・迅速に得られます。
膜ベースのセグメンテーション
膜に局在するコントラストを基にした3Dでの細胞境界の検出
3Dで膜を強調する新しいアルゴリズムと3Dで細胞をセグメンテーションするように設計された演算子によって、膜に局在するコントラストに基づく細胞境界の検出が何倍も簡単になりました。この新しいワークフローにより、膜ベースのセグメンテーションの前段階で任意の画像フィルターを使用できるため、結果の最適化および/または難易度の高い画像への適用が可能になります。
ユーザーは、データの品質や時間の制約に応じてMembrane EnhancementおよびObjectness Measure(シート)フィルターを選択できます。Membrane Enhancementフィルターでは最も質の高い結果を得られますが、処理時間が長くかかります。一方、Objectness Measure機能はより迅速に計算を行います。膜ベースのセグメンテーションは細胞のセグメンテーション収率を高めるためにインタラクティブに調整されており、「過剰分割」はMergeツールで簡単に校正編集できます。Morphology、Denoisingなど、(旧Vision4D)にある他のフィルターもすべて細かい調整に活用可能です。
細胞内オブジェクトの相互作用解析
Object Table内の新機能Chartが、テーブル内のすべてのオブジェクトまたは選択したオブジェクトの1~2つの特徴を可視化
Object TableのChartでは、テーブル内のすべてのオブジェクトまたは選択したオブジェクトから、1つまたは2つの特徴をグラフ化できます。Object TableのObject Selection機能とColorツールを使用すると、Chart Visualizationツールの高度な活用が可能になります。この例では、画像内の特定の被写体が色分けされて強調表示されています。
これにより、オブジェクト間の相互作用を理解し、画像のより全体的な情報を得ることができます。ここでは、ZEISS arivis Pro Object Tableのツールを使用して優れたデータを他者と共有するための使用例とアイデアを紹介します。チャート選択とオンスクリーンでのインタラクティブな3Dビジュアライゼーションを通じて、データ内の動的な関係を完全に理解する力を提供するのはZEISS arivis Proだけです。
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* このページに掲載されている画像は、研究内容を表すものです。Axioscan 7スライドスキャナーで取得した情報に基づいて、ZEISSが患者の疾患の診断や治療の推奨を行うことは決してありません。