ZEISS Xradia Versaで高分解能イメージングを行ったラットの心臓血管構造。試料ご提供:Lara Konijnenberg and Anat Akiva, Radboud University Medical Center, Netherlands
ライフサイエンスのX線イメージングアプリケーション

軟組織構造のイメージングに変革をもたらす

複雑な試料調製を必要としない内部構造の解析

X線イメージングでは、3D培養、臓器全体、腫瘍、胚などの低密度の生物試料を独自のやり方で観察することができます。この非破壊の手法では、その後に別の顕微鏡法や解析を実施する場合に、試料を傷のない状態に保つことが可能です。X線イメージングで取得された構造情報は、蛍光顕微鏡で得られた機能や局在に関する情報を補い、電子顕微鏡で明らかになった微細構造との分解能のギャップを埋める役目を果たします。

試料ご提供:Lara Konijnenberg and Anat Akiva, Radboud University Medical Center, Netherlands

様々なスケールで構造情報を取得

  • ラット心臓の3Dデータセット、Versa XRMでイメージング
  • 3D再構築のための2D再構築のスライスシリーズ
  • ZEISS Xradia Versaで高分解能イメージングを行ったラットの心臓血管構造。試料ご提供:Lara Konijnenberg and Anat Akiva, Radboud University Medical Center, Netherlands 
  • この動画は、ZEISS Xradia Versaでイメージングしたマウスの腎臓における、3D再構成ボリュームを透過する一連の2D再構成スライスを示しています。

臓器全体の可視化

X線顕微鏡では、大型試料に対しても高分解能イメージングが可能です。ZEISS Xradia Versaを使うことで、cmスケールの臓器全体を撮影し、血管、房室、欠損、奇形などの内部構造を明らかにすることができます1。病期や治療の違うグループを非破壊的に比較し、その後に別の手法や技術を使って詳しく解析することも可能です。さらに、撮影した臓器全体から関心領域を同定し、高倍率の対物レンズを使ったX線顕微鏡でさらにイメージングすることもできます。

解剖されたマウス皮膚片、ZEISS Xradia Versaによる高分解能3Dスキャンにより取得した2D像
解剖されたマウス皮膚片、ZEISS Xradia Versaによる高分解能3Dスキャンにより取得した2D像

解剖されたマウス皮膚片、ZEISS Xradia Versaによる高分解能3Dスキャンにより取得した2D像

解剖されたマウス皮膚片、ZEISS Xradia Versaによる高分解能3Dスキャンにより取得した2D像

ナノスケールに至るまでの構造情報を取得

組織試料の関心領域のビジュアライゼーションには、一般的に高分解能イメージングが必要です。非破壊X線顕微鏡を使うことで、たとえば皮膚では、重要な構成要素である血管や毛包などが明瞭に視覚化されます。ZEISS Xradia Versaは2段階拡大機構を備えており、試料を小さくカットせずに高分解能の情報を取得することができます。

低密度の試料に最適なコントラスト

カニの眼の3D再構築像の各スライス、X線顕微鏡ZEISS Xradia Versaでイメージング。角膜や眼柄の構造を3Dで視覚化。

軟組織のハイコントラスト像

軟組織の試料はX線吸収差が少ないため、内部構造のビジュアライゼーションが困難なことがあります。そのため、最適な画質を得るには高いコントラストを備えた装置が必要です。ZEISS Xradia Versaの最適化された対物レンズを使うことで、軟組織試料のX線吸収差が非常に少ない場合でも、最高レベルの画質を達成できます。

非染色マウス胚、高いコントラストを備えたZEISS Xradia Versaでイメージング
非染色マウス胚、高いコントラストを備えたZEISS Xradia Versaでイメージング ご提供:Dr. Yukako Yagi, Massachusetts General Hospital, USA
ご提供:Dr. Yukako Yagi, Massachusetts General Hospital, USA

非染色マウス胚、高いコントラストを備えたZEISS Xradia Versaでイメージング。 

非染色マウス胚、高いコントラストを備えたZEISS Xradia Versaでイメージング。ご提供:Dr. Yukako Yagi, Massachusetts General Hospital, USA

非染色試料のイメージング

胚などの軟組織試料では、非染色イメージングが望ましいことがあります。ZEISS Xradia Versaでは、吸収コントラストを用いた優れたコントラストにより、非染色試料の内部構造を視覚化できます。

非染色マウス肺、X線顕微鏡ZEISS Xradia Versaによりイメージング、伝搬ベースの位相コントラストでX線屈折率の差を検出、造影剤は不使用。

伝搬ベースの位相コントラストで界面を可視化

染色が困難でもX線屈折率に差がある場合(膜や細胞壁)、ZEISS Xradia Versaでは、伝搬ベースの位相コントラストなどの別のコントラスト法を使うことができます。伝搬ベースの位相コントラストでは、試料内のX線屈折率に差のある構造の界面を強調することで、染色なしでも試料の内部構造の可視化が可能です。

内部構造に関する膨大な情報を収集

マウス胚の内部構造の高解像度2Dフライスルー像と3D再構築、X線顕微鏡ZEISS Xradia Versaでイメージング。試料ご提供:Z. Zhifa, Beijing Union Medical College Hospital, China

疾患モデルや治療群を比較

目的とする組織の構造のX線吸収差がビジュアライゼーションに不十分な場合、造影剤によってその差を際立たせることができます。様々な染色方法が使われますが2、胚のような試料では、X線顕微鏡による高分解能イメージングによって膨大な情報が得られます。このイメージング手法によって異なる遺伝モデル・疾患、治療群を比較研究することができます。

3D取得時のSNRとスループットの向上

マウス肺組織。再構成データセットの2D像、同じ条件で取得(投影像数3001)。左:標準的なFDK再構成。右:深層学習を利用した再構成(DeepRecon)。

マウス肺組織。再構成データセットの2D像、同じ条件で取得(投影像数3001)。左:標準的なFDK再構成。右:深層学習を利用した再構成(DeepRecon)。

深層学習を利用した再構成により、ノイズ削減と取得時間短縮を両立

低密度でコントラストの少ない軟組織試料では、再構成像のノイズを減らすことによって、視覚化される構造が大きく変わります。深層学習を利用した再構成により、3D再構成データセットのSNRが上昇するだけでなく、必要な2D像の数が減ることに伴ってスループットが向上します。ZEISS DeepReconは、シンプルな深層学習再構成ワークフローによって、通常はノイズに隠れて見えない、低密度の軟組織試料の微細構造を明らかにします。


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