微細構造に新たな光を当てる
微細構造の3Dイメージング向けのVolume EM手法についてご覧ください
ボリュームEM(vEM)と総称されるSEM技術・手法により、複雑な微細構造の情報が取得できます。科学の進歩に加え、研究者と企業の連携・協力により、これらの手法は、電子顕微鏡を使った経験がほとんどない人でも簡単に使用できるようになり、より身近なものとなりました
vEMは、神経生物学、がん研究、発生生物学、植物学その他の分野における新たな発見を後押しするテクノロジーです。
ライフサイエンス研究において電子顕微鏡画像を可視化する際、2種類の画像が使われます。1つは、花粉粒から昆虫の頭部、感染した組織表面の細菌まで、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて生体表面のトポグラフィーの詳細を描出する画像です。もう1つは、組織や細胞における薄切片の二次元観察を行い、細胞、オルガネラ、高分子複合体などの微細構造を明らかにするものです。従来、このような高分解能2Dイメージングには透過電子顕微鏡(TEM)が使用されており、また比較的ボリュームの小さい3Dイメージングもある程度TEMで行われていました。
様々なSEM技術により、細胞内部の微細構造に関する説得力ある情報を得られることは、依然として広く知られていません。SEMによってボリュームの大きい3Dイメージングの可能性が広がり、科学者は、視野の制限、試料のボリュームサイズが小さすぎるなどの典型的な実験的制限を解消し、より大きな3D画像で微細構造の理解を深めることができるようになりました。
このようなvEMの高度な手法が使いやすくなるにつれて、より多くの科学者が、これまでにどのようなイメージング手法でも到達できなかった生物学の領域やプロセスを解明できるようになります。
Silent Revolution in 3D EM
Science/AAAS Poster
生命は3次元の現象です。多くの科学者が、走査電子顕微鏡(SEM)によって優れたトポグラフィー画像が得られると考えていますが、SEMは細胞内構造を3Dで解明する機会も提供してくれます。ボリュームEM技術とその手法により、複雑な微細構造の情報が取得できます。
このポスターはScience誌(AAAS)とZEISSが共同で作成したもので、主要なvEM手法の特徴を紹介しています。
From 3D Light to 3D Electron Microscopy
Science/AAAS eBook
新しい28ページのScience/AAAS eBookでは、ライフサイエンス研究向けVolume EM(vEM)およびVolume LM・EM相関顕微鏡法(vCLEM)の詳細が紹介されています。
vEMとvCLEMのワークフローに関する記事や動画をご覧ください。学界と産業界の電子顕微鏡のエキスパートによるディスカッションから新たなアイデアが得られることでしょう。
ボリュームEM手法の比較
表中の値は、様々な次元で各種手法を比較するための一般的な指針としてご利用ください。ユーザーの実施方法やアプリケーションにより、比較値は異なる可能性があります。
Array Tomography(AT)
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マルチビームAT
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SBF-SEM
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FIB-SEM
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クライオFIB-SEM
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ボリュームサイズ |
●●●●○○ |
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●●●●●○ |
●●●○○○ |
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分解能(Z) |
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●●○○○○ |
●●●●○○ |
●●●●●○ |
●●●●●○ |
取得速度1 |
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●●●●●● |
●●●○○○ |
●●○○○○ |
●●○○○○ |
使いやすさ2 |
●●●●○○ |
●●●●○○ |
●●●●●● |
●●●○○○ |
●○○○○○ |
入手のしやすさ |
●●●●●● |
●○○○○○ |
●●●●○○ |
●●●○○○ |
●○○○○○ |
画像処理3 |
●●●●○○ |
●○○○○○ |
●●●●●● |
●●●●○○ |
●●○○○○ |
非破壊4 |
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✔ |
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ZEISSのソリューション |
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ページ上部画像:HeLa細胞全体の3Dスタック画像。Malachite Greenプロトコルに従って細胞を樹脂包埋した後、ZEISS FIB-SEMを使用して5 x 5 x 8 nmのボクセルサイズでイメージング。EM画像ご提供:Yannick Schwab and Anna Steyer, EMBL, Heidelberg.ソフトウェアベースの画像処理、再構成、ビジュアライゼーションは、arivis Vision4DおよびAPEERで実施。画像:Mica Duran for Science/AAAS