シリアルブロックフェイス走査電子顕微鏡法を用いたVolume EM
Volume EM

シリアルブロックフェイスSEM

高度に自動化されたセクショニングとボリュームデータイメージング

  • 試料調製が容易
  • 高度に自動化された画像取得
  • Array Tomographyよりも高いZ分解能
  • 低加速電圧でも優れた画像解像度を実現

シリアルブロックフェイスSEM(SBF-SEM)を用いたVolume EM

SEMチャンバー内に配置されたウルトラミクロトームにより、樹脂包埋試料を自動的にイメージングし、試料のZ方向に目的のスタック(またはスタック全体)が得られるまで切断することができます。Zステップサイズの範囲は15~30 nmです。シリアルブロックフェイスSEM(SBF-SEM)は、容易な試料調製、高度に自動化されたイメージングプロセス、Array Tomographyよりも高いZ分解能を求めるユーザーに最適なテクノロジーです。

ZEISS Focal Charge Compensationを用いることでこの手法の試料の自由度がより高まり、これまで画質を犠牲にしないと実現不可能だった帯電しやすい試料にも使用できるようになります。極小のキャピラリー針が試料の上に正確に配置され、チャンバー内を高真空に保ったまま、窒素がこの針を通って試料表面に吹きかけられます。これにより、画質を低下させることなく帯電が除去されます。Focal Charge Compensationを使用すると帯電が減少するため、画質が向上し、ドリフトやジッター、画像の歪みが低減します。これにより、取得したデータのアライメントが容易になります。

全体として、Focal Charge Compensationは、より多様な試料を帯電なく高分解能で3Dイメージングすることが可能です。

ワークフローの略図

シリアルブロックフェイスSEMイメージング

1

SEMチャンバー内に配置されたウルトラミクロトームを使用して、樹脂包埋試料を切断します。露出した試料表面をイメージングします。この切断とイメージングのプロセスを、目的の構造が完全にイメージングできるまで繰り返し行います。

セグメンテーションの処理

2

取得した電子顕微鏡画像が処理され、デジタルに調整されて3Dデータセットになります。細胞コンパートメントを特定し、セグメント化することができます。

3Dビジュアライゼーション解析

3

セグメント化された3Dデータセットは、視覚化および調査を行い、統計的に分析することができます。

アプリケーション例

構造と機能との関係を理解する

ウルトラミクロトーム内蔵のZEISS Sigmaを使用して、7 nmピクセル、75枚の画像スタックでイメージングされたマウスの脳。ミクロトームは切片ごとに15 nm切り取るよう設定。
ウルトラミクロトーム内蔵のZEISS Sigmaを使用して、7 nmピクセル、75枚の画像スタックでイメージングされたマウスの脳。ミクロトームは切片ごとに15 nm切り取るよう設定。

ウルトラミクロトーム内蔵のZEISS Sigmaを使用して、7 nmピクセル、75枚の画像スタックでイメージングされたマウスの脳。ミクロトームは切片ごとに15 nm切り取るよう設定。

ウルトラミクロトーム内蔵のZEISS Sigmaを使用して、7 nmピクセル、75枚の画像スタックでイメージングされたマウスの脳。ミクロトームは切片ごとに15 nm切り取るよう設定。

ニューロンにおける微細構造の詳細なイメージング

脳は、数百万の神経ネットワークとシグナル伝達経路を有する複雑な器官です。脳組織の構造と機能との関係を理解することは、この複雑さを部分的に解明するのに役立ち、神経ネットワークの構造と機能を深く理解することにつながり、長期的には特定の疾患の医療介入による治療法の解明にも役立ちます。 

Focal Charge Compensation装置を使用して、2.5 keV、画素滞在時間1 μsピクセル、高真空でイメージングしたブロックフェース試料。スケールバー:1 µm。ご提供:NCMIR
Focal Charge Compensation装置を使用して、2.5 keV、画素滞在時間1 μsピクセル、高真空でイメージングしたブロックフェース試料。スケールバー:1 µm。ご提供:NCMIR

Focal Charge Compensation装置を使用して、2.5 keV、画素滞在時間1 μsピクセル、高真空でイメージングしたブロックフェース試料。スケールバー:1 µm。ご提供:NCMIR

Focal Charge Compensation装置を使用して、2.5 keV、画素滞在時間1 μsピクセル、高真空でイメージングしたブロックフェース試料。スケールバー:1 µm。ご提供:NCMIR

細胞培養中のニューロンのイメージング

SBF-SEMは、樹状突起や軸索など、神経細胞における細長く突出した構造を連続的にイメージングするのに最適なソリューションです。細胞培養中のニューロンのイメージングは特に困難です。なぜなら、非導電樹脂の割合が高く、試料が帯電しやすくなるからです。Focal Charge Compensationは帯電効果を低減し、高画質でのイメージングを実現します。SBF-SEMとFocal Charge Compensationとを組み合わせることで、ニューロンの微細構造の細部も容易に分解およびイメージングできます。

これらの画像は、シナプス後膜肥厚(矢印)を染色したPSD95-APEX2を示す、培養された海馬ニューロンの3Dデータの1枚の切片です。画像はZEISS FESEM、内蔵されたウルトラミクロトーム、Focal Charge Compensationを使用し取得しました。帯電効果の除去によって達成された高分解能イメージングにより、薄い樹状突起や結合などの微細構造が視認できます。

ご提供:Prof. Mark Ellisman (University of California, San Diego)

マウス脳組織内の単一のニューロンと細胞コンパートメント

この動画は、シリアルブロックフェイスSEMを用いて取得したマウス脳試料の断面を示しています。それぞれのシングルブロックフェース画像から、このアプローチで得られる分解能の高さがはっきりとわかります。Z方向に並んでいる単一のニューロン、および細胞コンパートメントが特定できます。

多発性硬化症とパーキンソン病を理解するための軸索の髄鞘形成の研究

  • Myelin lamellae
  • Single neurons and cellular compartments in mouse brain tissue​
  • 電子顕微鏡写真は、単一のミエリン層板を計数し、鞘の厚さを測定するのに十分な高分解能情報を提供します。
    ミエリン層板 ご提供:NCMIR
    ご提供:NCMIR

    ご提供:NCMIR

    電子顕微鏡写真は、単一のミエリン層板を計数し、鞘の厚さを測定するのに十分な高分解能情報を提供します。

    これらの試料の構造はまばらなため、著しい帯電効果につながります。Focal Charge Compensationを使用するとこのような影響がなくなり、3方向すべてにおいて最高レベルの分解能でイメージングすることができます。

  • ご提供:NCMIR

    この動画は、3View®およびFocal Charge Compensationを使用した、ラット脊髄の1枚の切片(X-Y)のランを示しています。軸索のミエリン鞘内の単一層と、微小管や他の細胞オルガネラが明瞭に視認できます

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