環境への負担の少ない未来
低コストで優れた発電効率の太陽電池技術
気候変動や近年の異常気象により、環境への負担の少ない技術の必要性がこれまで以上に高まっています。2050年までにカーボン排出ネットゼロを達成するには、発電効率を最大化した低コストの太陽電池を新たに開発する必要があります。しかし、その前に解決しなければならない課題がいくつかあります。
1つ目の課題:太陽電池により適した材料を見つける
従来のシリコンパネルは厚みと発電効率の低さが問題でしたが、少ない材料で薄く調製できるペロブスカイトを使うことで、発電効率を改善することができます。2つ目の課題は、太陽電池の寿命と耐久性に関わる材料の特性です。
材料の特性と光起電装置の性能は、化学的環境と微細構造環境によって決まりますが、それらの環境の構築と調整は非常に困難な作業です。
材料科学の研究者は、材料の性能、構造、加工の関係を理解し、増大するエネルギーニーズに応える技術を開発することを目指しています。
優れた顕微鏡へのニーズ
顕微鏡は、新たな太陽電池の開発に重大な役割を果たしています。電子・イオン相関顕微鏡法を使うことで、マルチスケールの高分解能イメージングが実現します。二次電子エネルギー分散型X線分光法(EDS)では高精度の化学分析、二次イオン質量分析(SIMS)では材料表面の微量元素の正確な同定が可能です。これらの技術によって、新たな太陽電池の開発と分析を行うことができます。
ZEISSによる電子・イオン相関顕微鏡法ソリューション
これらのソリューションは、今日の研究者が必要とする詳細な解析情報を提供します。ZEISS顕微鏡を使うことで、薄膜、単結晶太陽電池、多結晶太陽電池の化学的環境や微細構造環境を短時間で簡単に確認できます。ペロブスカイトのようなビームの影響を受けやすい繊細な材料をGeminiで低電圧イメージングし、微量元素の分布をSIMSで高分解能イメージング、EDSで効率的に2D・3D解析をすることが可能になります。
次のステップ
顕微鏡ポートフォリオと、ZEISSが太陽電池研究にどのように貢献できるかについて詳細をご覧ください。
アルミナ基板上のCIGS太陽電池
GeminiSEMでInlens SE検出器を使用して1.8 kVでイメージング。表面トポグラフィーが強調表示されている。