低次元マテリアル
材料表面の10 nm以下のパターニングと高ピクセル密度・高分解能イメージングによる解析
近年のナノテクノロジーの発展に伴い、高分解能の低電圧イメージングを実現するFIB-SEMが開発されてきました。MoS2、単層グラフェン、ナノワイヤ、ナノ粒子、量子ドットなどの低次元マテリアルの表面分析には、高性能の低電圧イメージングが必要です。
低次元マテリアルのイメージングの課題
量子閉じ込め効果により、このような低次元マテリアルには他ではみられない特性があります。そのため、高性能の低電圧イメージングだけでは不十分で、極小の粒子(通常10~20 nm以下)をデポジションできる技術が求められます。たとえばグラフェンを使ったデバイスでは、量子閉じ込めに20 nm以下の構造が必要となるため、観察前にそのサイズでオーミック接触のパターニングをしなければなりません。
高密度パターニング加工も困難です。通常のFIB-SEMのビーム集束では、近接効果やデポジションハローによって密度に限界が生じますが、10 nm以下の加工能を持つ適切な機器を使うことで、パターニング密度を高めることができます。
これまでは、関心領域の包括的なマルチスケール、マルチモーダル3Dイメージングを行うことは容易ではありませんでした。これは、ナノ粒子のような低次元マテリアルで特に課題となっています。しかし、そういった解析を正確に行うことができれば、試料に関する貴重な情報を得ることができます。
ZEISS Microscopyの強力な相関ワークフロー
ZEISS Microscopyのソリューションは、電子工学、サイバーセキュリティ、量子コンピュータの分野において、そのような差し迫った研究課題を解決に導きます。たとえばZEISS MultiSEMは、24時間365日の連続稼働を前提に設計された、世界最速のSEMで、91並列電子ビームにより、センチメートル単位の試料をナノメートル単位の分解能でイメージングできます。こちらをクリックして詳細をご覧ください。
ZEISS Crossbeam FIB-SEMは、低電圧イメージングが可能な高性能SEMとハイスループットFIBを組み合わせたモジュール式プラットフォームです。モジュール式FIB-SEMは、高度な材料加工に適したレーザーの追加によるアップグレードが可能で、研究が複雑化しても引き続き対応できます。