フォトニクス
10 nm以下の加工能力と高分解能の低電圧イメージングにより、ナノフォトニクス研究の発展に貢献
欧州委員会のウェブサイトには、「新たなフォトニクス時代の幕開け」と記されています。欧州各国にとってフォトニクスが「成功の鍵を握る技術」の1つであることを考えると、当然の表現かもしれません。フォトニクスは私たちの生活を変える多くのブレイクスルーをもたらしてきました。
新たなフォトニクス時代
一方、ナノスケールデバイスの開発は、ムーアの法則の限界が近づくにつれて困難を極めています。量子トンネル効果などのため、デバイス小型化には限界があり、その代わりに別の材料や技術が研究されています。たとえば、トランジスタを縦に積み重ねることで(3D NANDなど)処理能力を高め、アプリケーションを発展させることができます。
フォトニクス用のナノマテリアルには、薄膜、ナノワイヤ、量子ドット、その他の低次元マテリアルがあり、ナノマテリアルの光学特性は、サイズ、次元、結晶性によって決まります。たとえば、一般的に単結晶では多結晶よりもプラズモン共鳴の損失が少ないことから、プラズモンに適した単結晶金属デバイスが作られています。
フォトニクスの発展に必要な専門技術
フォトニクスアプリケーション用の低次元マテリアルの機械的・化学的・物理的特性を研究するには、特別な技術が必要です。その加工には、空間的正確性も求められます。ところが標準的なSEMシステムでは、低電圧イメージング時の分解能の低さや、帯電、ビームによる試料の損傷といった問題があります。また、標準的なガリウム集束イオンビーム(FIB)では50 nm程度までの加工しかできず、量子閉じ込め効果を利用するには不十分です。
ZEISSのワークフローを活用
こういった問題を解決するためには、高性能で10 nm以下の低電圧イメージングを可能にする技術が不可欠です。また、量子閉じ込め効果を利用できるナノスケールの構造のデポジションや加工も必要です。しかしながら、ZEISS Microscopyの相関顕微鏡が誇る強力なワークフローなら、10 nm以下の構造の正確なパターニングと、ビームダメージを与えない高分解能の表面イメージングが可能となり、さらに、STEM-in-SEM技術により最大0.4 nmの優れた分解能が得られます。また、STEM-in-SEMのトモグラフィー解析を使用すれば、TEMレベルの分解能で立体イメージングを行うことができます。