ZEISS Sigma 300を用いた軟磁性複合材料の量的EBSD観察
合金の研究・開発用顕微鏡ソリューション

複雑な新合金の高度な解析

スピーディーな大容量3Dボリュームイメージングと微細構造解析を実現

新合金の開発や既存の合金の改良、そしてその基本的な特性や挙動の理解は、過去数十年にわたり、この研究分野の重要なトピックとなっています。航空、電力、輸送、インフラ、自動車などの工業セクターでは、より優れた特性を持つ低コストの合金へのニーズがますます高まっています。合金の研究・開発には、合金の微細構造と性能を評価するための高度な解析が必要です。それには、 in-situ および ex-situ の様々な技法が用いられます。

  • 非常に小さい析出物、金属間化合物、酸化物分散、その他のナノスケールの特徴を解明する、高分解能の走査電子顕微鏡観察
  • 2D・3Dでのデータセグメンテーション向けの高度な機械学習
  • 複数の長さスケールのデータをつなぐマルチスケール3Dトモグラフィー
  • In-situおよびex-situのX線顕微鏡法で試料と表面下形状を3Dマッピング
破損した配管中の高温腐食と薄片化、SIGMA 300のC2D検出器を使用して撮影、低真空50Pa

破損した配管中の高温腐食と薄片化、SIGMA 300のC2D検出器を使用して撮影、低真空50Pa

金属構造体における腐食の影響と不良の原因

どのようなシステムでも、不良、腐食などの劣化を防ぐことはできません。劣化の速度が急速か緩慢か、劣化が予定通りか予期せぬものかの違いはありますが、生産、製造、使用の間に不良が生じる可能性があります。そしてそれは、多少の不便から悲劇的な人命の損失まで、多岐にわたる結果につながります。厳しい品質管理、検証済みの生産方法、使用中の検査により、不良が発生する可能性を低減することができます。また、およびすべての不良について詳細に調査することで、根本原因を確定した上で適切な是正措置を取ることが可能です。

最悪レベルの不良は、孔、介在物、亀裂、残留応力、微細構造内のほんの小さな不均質など、製造中の小さな誤差や逸脱から生じます。また、通常の使用条件と異なる操作、予期せぬ突発的なイベント、計画的な陳腐化の一部も不良の原因となります。

腐食環境における疲労による炭素鋼の亀裂、反射電子イメージング(BSE)、SIGMA 300で撮影。

腐食環境における疲労による炭素鋼の亀裂、反射電子イメージング(BSE)、SIGMA 300で撮影。

顕微鏡は、以下のような手法と共に、不良解析および腐食評価のための重要なツールです。腐食の程度、メカニズム、特徴を特定し、不良の根本原因を決定するために使用されることが増えています。

  • 光学顕微鏡
  • 電子顕微鏡
  • 共焦点光学顕微鏡
  • EDS
  • EBSD
  • ラマン分光法
  • X線コンピューター断層撮影
  • X線顕微鏡
  • FIB-SEM

ZEISSのソフトウェアでは、異なる顕微鏡から取得した複数のデータセット間の相関が簡単に行えます。また、すべての特徴をコンテキスト上で表示することで、急な不良や長期にわたって徐々に進行する劣化を完全に解明するのに役立ちます。

多くの欠陥が見られる溶接不良、Xradia 620 Versaで撮影

金属および合金のサブミクロンスケールの3Dイメージング

金属および合金の特性は、鋳造、鍛造、射出から加工、溶接、組立て、サービスに至るまで、生産工程のあらゆるポイントでその微細構造に大きく影響されます。材料の微細構造は3次元であり、全方向に均一になっていない場合があります。また、孔、空間、亀裂、異なる相やその他の形状的特徴が含まれることもあります。そのため、すべての表面下形状と密度変化の3Dマッピングとコンピューター断層撮影を含む、高分解能スキャンが必要です。

標準的なX線コンピューター断層撮影(CT)は、倍率の幾何学的性質のために、高分解能イメージングは小さいサイズの試料に限定されます。作動距離が長いため、大型試料でも高分解能(400nm)を維持することができます。ZEISS Xradia 600シリーズのVersa X線顕微鏡は、デュアルステージの倍率構造を内蔵し、高フラックスX線源技術を採用しています。標準的なCTシステムと比較して、大型試料に対しても、非破壊スキャンの高速化、試料測定数の増加、コントラスト・ノイズ比の向上、さらに、大きく改善したRaaD(Resolution at a Distance)を実現します。

これにより、LabDCT(回折コントラストトモグラフィー)が強化され、3Dで粒子の結晶配向性と微細構造を非破壊的にマッピングできるようになりました。これは、金属合金および多結晶材料の特性評価の新たな次元を切り開くものです。さらに、4Dイメージング実験により微細構造形成を観察することも可能です。

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