
データおよび業務プロセスのデジタル化へのAI適用
ワークフローの合理化を実現
ZEISS独自のAIインフラから生まれる継続的なアルゴリズムの革新によって、ZEISS顕微鏡のユーザーは技術進歩とデータ評価の向上の恩恵を受け続けられます。
AIを用いた自動画像セグメンテーションやレジストレーションによって、画像の品質と解像度を向上させ、豊富な基礎データの定量分析を行うことは、地球科学者がデータ駆動型の意思決定に必要な関連情報を明らかにするのに役立ちます。
マルチスケール顕微鏡に機械学習を統合し、天然資源のワークフローを強化
天然の岩石試料は非常に複雑で、1つのプロジェクト内で複数スケールで観察する必要があります。タスク要件と試料のサイズおよび分解能のバランスを取る必要があるため、すべての顕微鏡技術において多くの課題が生じます。これには、ファイルサイズやデータ処理時間といった問題も含まれています。ZEISSは、光学顕微鏡、電子顕微鏡、X線顕微鏡向けのソフトウェアワークフローに機械学習アルゴリズムを組み込んでいます。ここでは、それらのソフトウェアツールが、産業界と学術界の地球科学分野における岩石、鉱物、関連試料のワークフローにどのように組み込まれているかを説明します。

Advanced Reconstruction Toolbox(ART)
ZEISS Advanced Reconstruction Toolboxは、ZEISSのマイクロCTおよびX線顕微鏡(XRM)機器向けの一連の機能です。DeepRecon Proは3D再構成のコントラスト対ノイズ比を向上させ、より鮮明な画像とより高い試料スループットを実現します。一方、DeepScoutは画像の解像度を向上させる機能を提供します。

自動化された定量的鉱物解析
ZEISS Mineralogic 3Dは、マイクロCTに対する革新的で定量的なアプローチです。3Dでスキャンした材料に対して一貫性のある予測可能な吸収コントラスト値を実現します。この技術により、試料を研磨したりせず、そのままの状態で、地質試料内の鉱物相を吸収コントラストデータから直接同定できます。ZEISS DeepRecon Proは、ZEISS Mineralogic 3Dワークフローの不可欠な部分です。コントラスト対ノイズ比を向上させることで、マイクロCTの主な課題である類似した鉱物相を区別する能力を強化します。深層学習による画像強化機能を備えたMineralogic 3Dは、大規模なプロジェクトやプロセス鉱物学において、最小限のユーザーインプットで、試料全体の鉱物の識別とセグメンテーションを効率的に行うことができます。

鉱物名の適用、多孔性の特定、その他多くの重要なワークフローを含め、関心領域を迅速かつ直感的にラベルします。

歴青炭、Axio Imager Z2.mを使用した明視野光学顕微鏡画像
歴青炭、Axio Imager Z2.mを使用した明視野光学顕微鏡画像
ZEN AI Toolkitと自動画像セグメンテーション
様々な分野の地球科学者は、多種多様な試料やイメージング技法にわたって定量的なデータを生成します。鉱物学および組織解析の定量情報を生成するための最初のステップは、画像セグメンテーションです。ZEISS ZEN Intellesisは、鉱物名の適用、多孔性の特定、その他多くの重要なワークフローを含め、関心領域を迅速かつ直感的にラベルします。データがセグメンテーションされると、ZEISS ZENパッケージは、鉱物やその他の成分のサイズ、形状、分布を含む試料の定量的測定結果を自動的に出力できます。
ZEN IntellesisをAxioscan 7 Geo用の岩石学分析ツールボックスと組み合わせることで、セグメンテーションと方向解析が可能になります。この強力な組み合わせは、Axioscan 7 Geoのデータを活用して、各試料の包括的な鉱物組織解析を生成します。

ZEISS arivis Proとarivis Cloud
ZEISS arivisは、ワークステーションおよびクラウド上で、機械学習を活用したワークフローを提供し、統合できる強力かつ包括的な画像解析プラットフォームです。
ZEISS arivisの画像解析には、インスタンスセグメンテーションが含まれています。これはピクセル分類をベースに構築された強力な機械学習ツールです。ピクセル分類が鉱物学を特定する仕組みを提供するのに対し、「インスタンスセグメンテーション」はユーザーが特定の種類のオブジェクトを同定できるようにします。産業界および学術界における地球科学のワークフローでは、これにより試料を岩石学別にセグメンテーションすることが可能になります。これは非常に大きな進歩です。岩石の種類別分類はこれまでも一般的なワークフローでしたが、現在では鉱物学と同じレベルの詳細さで識別からレポートまで自動化できるようになりました。

微細な粒子から大きな発見を得る
顕微鏡における人工知能(AI)
大きな全体像を理解するために、Oliver Plümper博士は非常に小さなものに注目します。地球科学者は、岩石の構成成分である鉱物を研究します。これらの構成成分はどのような情報を私たちに伝え、どのようにして地球の未知を解明する手助けとなるのでしょうか?その答えを見つけるために、Plümper博士は工学と技術、すなわち顕微鏡と人工知能に頼っています。