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製品

ZEISS LSM Airyscan

高感度・高速超解像イメージングと分子特性評価

Airyscanを備えたZEISS LSMシステムは、低ダメージの超解像、高速取得、そして生物学的試料の分子特性評価における限界を押し広げる実験を可能にします。独自のエリア検出器を活用してシグナル検出を最大限に高めることで、Airyscanは感度と空間情報の向上という独自の融合を実現しています。ZEISSのレーザー走査型顕微鏡に完全に統合された使いやすい技術として、従来の共焦点イメージングを超え、進化し続ける可能性を提供します。

  • 実験に簡単に追加できる強化された構造情報
  • 空間分解能と時間分解能の同時向上
  • 生体試料中の分子ダイナミクスを容易に観察。

低ダメージの超解像イメージング

実験に簡単に追加できる強化された構造情報

顕微鏡の基本的な目的は、微細な構造を解像することによって未知のものを明らかにすることです。超解像は蛍光イメージングにおいて標準的な技術になっており、多くの顕微鏡実験で日常的に使用されています。しかし、 生体試料に対して安全で信頼性の高い結果が得られる方法を選択することが重要です。超解像実験にAiryscanを使用するために顕微鏡の専門家である必要はありません。試料調製とワークフローは、従来の共焦点イメージングの方法と変わりません。Airyscanを使用することで、 より多くの構造情報を取得し、利用可能な蛍光シグナルをより効率的に収集できます。そのため、この超解像法はデリケートな試料に対しても特に低ダメージな手法となります。さまざまな処理オプションから選択し、簡単にカスタマイズすることで、信頼性が高く定量化可能なデータを得ることができます。Airyscanのみが提供できる追加の空間情報を利用するジョイントデコンボリューションにより、水平方向の分解能を90 nmまで向上させることが可能です。

ショウジョウバエ胚腺、F-アクチン(ファロイジン、シアン)およびDE-カドヘリン(赤)で染色。ZEISS Airyscan 2でイメージング後、ジョイントデコンボリューションで画像処理。

ショウジョウバエ胚腺、F-アクチン(ファロイジン、シアン)およびDE-カドヘリン(赤)で染色。ZEISS Airyscan 2でイメージング後、ジョイントデコンボリューションで画像処理。ご提供:T. Jacobs, AG Luschnig, WWU MünsterおよびT. Zobel, Münster Imaging Network, Germany

HeLa細胞、4倍拡大、アセチル化α-チューブリン(緑)で標識。共焦点画像とAiryscan SRおよびAiryscanジョイントデコンボリューションとの比較。

HeLa細胞、4倍拡大、アセチル化α-チューブリン(緑)で標識。共焦点画像とAiryscan SRおよびAiryscanジョイントデコンボリューションとの比較。

シロイヌナズナのミトコンドリア。共焦点画像とAiryscan SRおよびAiryscanジョイントデコンボリューションとの比較。ご提供:J.-O. Niemeier, AG Schwarzländer, WWU Münster, Germany.

シロイヌナズナのミトコンドリア。共焦点画像とAiryscan SRおよびAiryscanジョイントデコンボリューションとの比較。ご提供:J.-O. Niemeier, AG Schwarzländer, WWU Münster, Germany.

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ZEISS LSM Airyscan

高感度・高速超解像イメージングと分子特性評価

高速に共焦点画像を取得

空間分解能と時間分解能の同時向上

生体システムにおける動的過程を理解するには、必要な時間分解能を優先するあまり、空間情報を犠牲にしてはいけません。Airyscanは高速イメージングと超解像度を組み合わせることができるため、サブセルラーレベルの解像度で生体内ダイナミクスを観察し、大型の3D試料を効率的にイメージングできる多用途なツールです。これにより、細胞、スフェロイド、オルガノイド、または生物全体の過程を効率的にイメージングすることができます。また、複数の素子から構成されるAiryscan検出器は、 2~8本の画像ラインの高速取得を可能にし、イメージング処理の高速化と構造情報の取得精度の向上を実現します。Airyscanのさまざまな並列処理オプションは、多様な実験ニーズに最適な柔軟性を提供します。Airyscanの高速イメージングモード用に特別に最適化された、信頼性の高い処理方法であるジョイントデコンボリューションによって、エリア検出器から得られる独自の情報を活用し、分解能をさらに向上させることができます。

DNA(青、Hoechst 44432)、微小管(黄、anti-tubulin Alexa 488)およびF-アクチン(マゼンタ、phalloidin-Abberior STAR Red)で染色したHeLa細胞。ZEISS Airyscan 2のMultiplexモードでイメージング。

広い視野で効率的な超解像イメージングが可能に。

DNA(青、Hoechst 44432)、微小管(黄、anti-tubulin Alexa 488)およびF-アクチン(マゼンタ、phalloidin-Abberior STAR Red)で染色したHeLa細胞。ZEISS Airyscan 2のMultiplexモードでイメージング。

ご提供:A. Politi, J. Jakobi and P. Lenart, MPI for Biophysical Chemistry, Göttingen, Germany

哺乳類生細胞における小胞輸送の研究

Airyscan技術による低ダメージ照明とその高速機能のユニークな組み合わせにより、3Dでの小胞の動きの効果的なイメージングが可能。Airyscan 2でMPLX CO-8Yモードを使用して取得した、哺乳類細胞における初期エンドソームの高速移動の例。Airyscan jDCVによる分解能の向上により、細胞ボリューム内でZEISS arivis Proを使って小胞を時間内にセグメント化およびトラッキングできました。

10 µmマウス脳切片、Calbindin-A488(青)、Gephyrin-A568(黄)、VGAT-A647(マゼンタ)。

マウス小脳のシナプスを最高分解能で高速撮像

シナプスは2つの異なるニューロン間の接触であり、前シナプス(シグナル伝達ニューロン)と後シナプス(受信ニューロン)から構成されます。これらは異なるマーカーでラベル付けすることができますが、空間的に分離するためには共焦点以上の分解能を必要とします。

ジョイントデコンボリューション(jDCV)を使用したAiryscan SRは、2つの構造を適切に分解することができます。Airyscan MultiplexにおいてjDCVを使用することで、同じ分解能が得られます。それでも、MPLX 4Yモードを使用した場合のイメージング時間は1分31秒であり、SRモードの9分に比べて大幅なスピードアップが実現しました。

10 µmマウス脳切片、Calbindin-A488(青)、Gephyrin-A568(黄)、VGAT-A647(マゼンタ)。試料ご提供:Luisa Cortes, Microscopy Imaging Center of Coimbra, CNC, University of Coimbra, Portugal

Dynamics Profiler

生体試料中の分子ダイナミクスを容易に観察

ZEISS Dynamics Profilerは、1回の簡単な測定で、生体試料中の蛍光タンパク質の分子濃度、拡散、およびフローのダイナミクスを明らかにします。Airyscan検出器素子を独自に活用することで、Dynamics Profilerは従来の蛍光相関分光法(FCS)では得られなかった、より多くの情報を収集し、明るい試料でも正確で再現性のある解析を可能にします。一方、デリケートな試料も、過剰な光照射や長時間の実験を行うことなく測定することができます。培養細胞からオルガノイド、さらには生物全体に至るまで、現在の実験における分子の詳細なプロファイルを作成します。例えば液-液相分離により形成された細胞凝縮体の遷移を非対称拡散の測定によって調べることができます。あるいは、フロー解析を使用して、血流中やマイクロ流体システム(例えば、臓器チップ)内を移動する蛍光分子の速度と方向を測定することもできます。生体試料実験に分子ダイナミクス測定を追加することが、かつてないほど容易になりました。

従来の蛍光オーバービュー画像(左)およびZスタック(中央)。その後、同じ胚をDynamics Profilerを用いて同一のシステムで測定した結果(右)。グラフとデータ表は、5つの異なるスポットにおける測定結果。

異なる細胞の分子濃度測定の比較

共焦点顕微鏡での観察に、蛍光タンパク質のダイナミクスや濃度の測定を難なく追加することができます。この試料は、第3イントロンにおいて、hand cardiac and hematopoeitic enhancerのコントロール下でmCherryを発現するキイロショウジョウバエ胚です(HanおよびOlson、2005)。このような明るい試料でも、Dynamics ProfilerではFCSで確実なデータ収集が可能なため、異なる細胞の分子濃度を比較できます。

従来の蛍光オーバービュー画像(左)およびZスタック(中央)。その後、同じ胚をDynamics Profilerを用いて同一のシステムで測定した結果(右)。グラフとデータ表は、5つの異なるスポットにおける測定結果。

試料ご提供:Prof. Dr. Achim Paululat and Dr. Christian Meyer, Osnabrück University, Department of Zoology and Developmental Biology, Germany

自由に選択可能なプラットフォーム

ZEISS Airyscan:テクノロジーインサイト

共焦点のスタンダードを超えた実験の可能性

Airyscan顕微鏡は、従来までの実装機能を超えて共焦点顕微鏡の概念を発展させています。ピンホールを通過した光は単一の検出器に到達する代わりに、32個の検出素子で構成されたAiryscan検出器に届きます。これらの検出素子は非常に小さなピンホールとして機能し、スキャンされる各位置でピンホール平面画像を取得します。これらの小さなピンホールに似た32個の検出器をエリア型検出器に統合することで、 Airyscanはより多くの光を収集し、構造のより高い空間周波数情報を捉えることが可能になります。また、完全に統合された線形ウィーナーフィルターデコンボリューションにより、ほとんど手を加えることなく信頼性の高い定量的な結果を得ることができます。

  • イラスト:1. ミラー、2. 放射フィルター、3. ズーム光学、4. エアリーディスク、5. Airyscan検出器
    イラスト:1. ミラー、2. 放射フィルター、3. ズーム光学、4. エアリーディスク、5. Airyscan検出器

    1. ミラー、2. 放射フィルター、3. ズーム光学、4. エアリーディスク、5. Airyscan検出器

    1. ミラー、2. 放射フィルター、3. ズーム光学、4. エアリーディスク、5. Airyscan検出器

    Airyscanを使用することで、より多くの構造情報を取得しつつ、利用可能な蛍光シグナルをより効率的に収集できます。そのため、この超解像法はデリケートな試料に対しても特に低ダメージな手法となります。さまざまな処理オプションから選択し、簡単にカスタマイズすることで、信頼性が高く定量化可能なデータを得ることができます。Airyscanのみが提供できる追加情報を利用するジョイントデコンボリューション機能を用いれば、水平方向の分解能を90 nmまで向上させることが可能です。

     

  • Multiplexモードでは、適応型の照明と読み出しスキームにより、超解像取得を高速化するさまざまな並列処理オプションを選択できます。励起ビームの形状を伸ばして最大8つの画像ラインを同時にカバーすることで、高度に並列化されたシグナル取得を実現できます。Airyscanのエリア型検出器素子は、最終的な画像解像度を向上させるために必要なすべての情報を提供し、同時にイメージング時間を劇的に短縮します。

    イラスト。Airyscan MultiplexモードSR-2Y/CO-2YおよびSR-4Yで、1スキャンで2または4ラインもの超解像画像情報を取得可能。

    各照射位置に対して1つの超解像画像ピクセルを生成するAiryscan SRモードとは異なり、MultiplexモードSR-2Y / CO-2YおよびSR-4Yで得られる空間情報により、1回のスキャンで2本または4本の超解像画像ラインをスキャンすることができます。

    イラスト。Airyscan Multiplex SR-8YおよびCO-8Yモードでは、照射レーザースポットが縦長に成形され、それぞれの照射ポジションで8ピクセルの画像取得が可能

    AiryscanマルチプレックスSR-8YおよびCO-8Yモードでは、照射レーザースポットが縦長に成形され、それぞれの照射ポジションで8ピクセルの画像取得が可能。サンプリングは超解像(SR)または共焦点(CO)の超解像で実施。このハイスピード性能より、シングルスライスの超高速タイムシリーズ、広い領域の高速タイリング、または高速タイムラプスボリュームイメージングが可能に。

  • GATTA SIM nanoruler、Airyscan SR(GATTA-SIM 120B、左)およびAiryscan jDCV(GATTA-SIM 90B、右)でイメージング。
    GATTA SIM nanoruler、Airyscan SR(GATTA-SIM 120B、左)およびAiryscan jDCV(GATTA-SIM 90B、右)でイメージング。

    GATTA SIM nanoruler、Airyscan SR(GATTA-SIM 120B、左)およびAiryscan jDCV(GATTA-SIM 90B、右)でイメージング。

    GATTA SIM nanoruler、Airyscan SR(GATTA-SIM 120B、左)およびAiryscan jDCV(GATTA-SIM 90B、右)でイメージング。

    32個のAiryscan検出器素子は、それぞれが試料に対してわずかに異なる視点で捉えることで追加の空間情報を提供します。これによりすべてのAiryscanイメージングモードでジョイントデコンボリューションが可能になります。試料調製や画像取得過程中に何も変更を加えることなく、解像できるオブジェクト間の距離は90 nmまで引き下げられます。あなたの超解像実験は、単一または複数のラベルの分離が改善されることで劇的な恩恵を受けることでしょう。

    出芽酵母。タンパク質でミトコンドリア内膜(緑)とミトコンドリアマトリックス(マゼンタ)の部位を同定。
    出芽酵母。タンパク質でミトコンドリア内膜(緑)とミトコンドリアマトリックス(マゼンタ)の部位を同定。
    出芽酵母。タンパク質でミトコンドリア内膜(緑)とミトコンドリアマトリックス(マゼンタ)の部位を同定。ご提供:K. Subramanian / J. Nunnari, University of California, Davis, USA

ダウンロード

    • ZEISS Dynamics Profiler

      生体試料の分子ダイナミクスの観察が容易に

      7 MB
    • 共焦点のスタンダード を超えた実験の可能性

      ZEISS LSM Airyscan

      11 MB




翻訳版およびその他のマニュアルについては、ZEISSダウンロードセンターをご覧ください。

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