ZEISS Spectral RICS
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ZEISS Spectral RICS

細胞環境における分子間相互作用のマッピング

ZEISS Spectral RICSは、LSMイメージングと細胞環境におけるタンパク質の挙動に関する情報を組み合わせた技術です。この統合的アプローチにより、多様な分子特性を示す領域の同定が容易になります。独自のスペクトル分離技術に基づいたSpectral RICSは、タンパク質-タンパク質結合挙動を観察するための最適な基盤です。

  • タンパク質の相互作用に関する偏りのない情報を取得
  • 細胞内での移動性を観察
  • 共焦点イメージングと分子特性を統合
生の時系列データ(左)とグリッドのヒートマップ(右)。RICS分析から、EGFPの拡散は核小体内部では核質よりも遅いことが明らかになった。試料ご提供:P. Hemmerich、T. Ulbricht、Core Facility Imaging、Leibniz Institute on Aging、Jena、Germany
生の時系列データ(左)とグリッドのヒートマップ(右)。RICS分析から、EGFPの拡散は核小体内部では核質よりも遅いことが明らかになった。試料ご提供:P. Hemmerich、T. Ulbricht、Core Facility Imaging、Leibniz Institute on Aging、Jena、Germany

生の時系列データ(左)とグリッドのヒートマップ(右)。RICS分析から、EGFPの拡散は核小体内部では核質よりも遅いことが明らかになった。試料ご提供:P. Hemmerich、T. Ulbricht、Core Facility Imaging、Leibniz Institute on Aging、Jena、Germany

生の時系列データ(左)とグリッドのヒートマップ(右)。RICS分析から、EGFPの拡散は核小体内部では核質よりも遅いことが明らかになった。試料ご提供:P. Hemmerich、T. Ulbricht、Core Facility Imaging、Leibniz Institute on Aging、Jena、Germany

ラスター画像相関分光法

分子のダイナミクスを細胞レベルで観察

ラスター画像相関分光法(RICS)は、分子や粒子のダイナミクスを細胞レベルで観察するために、生物学的イメージングで使用される高度な技術です。これは、ラスタースキャンされた試料の画像全体で蛍光標識された粒子の動きを分析することで行われます。画像内の異なるピクセル間の輝度変動を相関させることにより、RICSでは、これらの粒子の拡散速度、濃度、相互作用に関する情報が得られます。

スペクトル分離のRICS分析によって、2つのタンパク質間に想定される相互作用は存在しないことが明らかに。
スペクトル分離のRICS分析によって、2つのタンパク質間に想定される相互作用は存在しないことが明らかに。

スペクトル分離のRICS分析によって、2つのタンパク質間に想定される相互作用は存在しないことが明らかに。試料ご提供:Prof. Jelle Hendrix, Dynamic Bioimaging Lab, Advanced Optical Microscopy Centre, Biomedical Research Institute, Hasselt University

スペクトル分離のRICS分析によって、2つのタンパク質間に想定される相互作用は存在しないことが明らかに。試料ご提供:Prof. Jelle Hendrix, Dynamic Bioimaging Lab, Advanced Optical Microscopy Centre, Biomedical Research Institute, Hasselt University

スペクトルRICSのメリット

生細胞におけるタンパク質の真の挙動を解明

ZEISS Spectral RICSは、ベルギーのHasselt大学のJelle Hendrix教授との共同開発によって誕生しました。RICS法にスペクトル分離が加わったことで、重なり合ったスペクトルをタンパク質の相互作用と誤認することを防ぎます。スペクトル分離を用いれば、偏りのない情報を確実に得ることができ、生細胞におけるタンパク質の真の挙動を明らかにすることができます。

ワークフローベースのZEN拡張機能として提供されるZEISS Spectral RICSは、実験の設定からデータ解析までをガイドします。このソリューションには、関心領域の選択や輝度閾値設定などのツールに加え、スペクトル分離、自己相関・相互相関分析、輝度・グリッドヒートマップ、時間依存分析などが含まれます。

ZEISS Spectral RICSのアプリケーション例

タンパク質拡散におけるSUMO化の影響
タンパク質拡散におけるSUMO化の影響

試料ご提供:P. Hemmerich and T. Ulbricht, Core Facility Imaging, Leibniz Institute on Aging, Jena, Germany

試料ご提供:P. Hemmerich and T. Ulbricht, Core Facility Imaging, Leibniz Institute on Aging, Jena, Germany

タンパク質拡散におけるSUMO化の影響

RICSを使用して、タンパク質の相互作用に起因する拡散の変化を測定することができます。標準的な自己相関RICS分析では、SUMO鎖の大きさに対応して拡散係数が低下することが分かります。こういった研究では、薬物治療、突然変異、その他の影響の存在下で、タグ付けされた目的のタンパク質の拡散の変化を測定することも可能です。

LEDGFとヒストンの相互作用
LEDGFとヒストンの相互作用

試料ご提供:Prof. Jelle Hendrix, Dynamic Bioimaging Lab, Advanced Optical Microscopy Centre, Biomedical Research Institute, Hasselt University, Belgium

試料ご提供:Prof. Jelle Hendrix, Dynamic Bioimaging Lab, Advanced Optical Microscopy Centre, Biomedical Research Institute, Hasselt University, Belgium

LEDGFとヒストンの相互作用

LEDGFはクロマチン結合転写因子であり、H2Bは真核生物のDNAを整理するヒストンです。スペクトル分離の前に、2つのタンパク質のRICS相互相関分析を行ったところ、強い相互作用が見られました。しかし、スペクトル分離にすると、ほとんどの核において2つのタンパク質の相互作用は非常に小さいことが分かりました。

レオウイルスの結合部位におけるEGFRの挙動を探る
レオウイルスの結合部位におけるEGFRの挙動を探る

試料ご提供:J.D. Simpson & D. Alsteens, NanoBiophysics lab, UC Louvain, Belgium

試料ご提供:J.D. Simpson & D. Alsteens, NanoBiophysics lab, UC Louvain, Belgium

レオウイルスの結合部位におけるEGFRの挙動を探る

細胞膜上に発現する上皮成長因子受容体(EGFR)は、レオウイルスの侵入受容体の一つです。この例では、レオウイルスのランディング部位と結合部位がマゼンタで可視化されています。グリッドベースのヒートマップとして描かれたRICS分析から、ウイルスの結合部位に隣接するEGFRの拡散は、他の膜の位置に比べて速いことが明らかになりました。

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