ZEISS Xradia Ultra
ナノスケールX線イメージング:科学研究が求めるスピードに対応
シンクロトロンX線ナノトモグラフィでは、ナノスケールの非破壊3次元イメージングが可能となるものの、極めて限られたビームタイムの中で実験を行う必要があります。シンクロトロンのビームタイムを待つ必要がなくなったらどうでしょう?ご自身のラボでシンクロトロンが使用できる環境を想像してみてください。ZEISS Xradia Ultra Familyでは、非破壊3D X線顕微鏡(XRM)により、ナノスケールの分解能とシンクロトロン並みのクオリティを実現します。最も高頻度で使用されるアプリケーションにおいて最適な画質を得るために設計された2つのモデル、ZEISS Xradia 810 UltraおよびZEISS Xradia 800 Ultraからお選びいただけます。
非破壊ナノスケールイメージングで研究を強化
- 独自の非破壊イメージングを駆使し、ナノスケール現象を本来の環境下で3次元的に観察することが可能です。
- サブミクロン分解能のXRM(ZEISS Xradia Versaなど)と、高分解能であっても破壊的な3Dイメージング(FIB-SEMなど)の間のギャップを埋めることができる唯一の装置です。
- 一体化されたin situソリューションを使用し、ラボで最先端の非破壊3D/4D X線イメージングを行うことにより、50 nmまでの分解能と16 nmのボクセルサイズを実現します。
- これらのユニークな機能を分析ポートフォリオに加えることで、研究を加速することができます。
卓越したコントラストと画質を実現
- サンプルの破壊や断面加工時のアーチファクトによる状態変化なしで、欠陥箇所を3Dで観察できます。
- 吸収コントラストとゼルニケ位相差により、高度なコントラストと画質でディテールを明らかにします。両モードのデータを組み合わせることで、ひとつのコントラストでは決して得られない特徴を観察できます。
- Xradia 810 UltraおよびXradia 800 Ultraは、最も高頻度で使用されるアプリケーション向けに最適な画質を取得することを目的としています。どちらのバージョンが最良のシステムとなるかは、最適なコントラストとスループットを得たい分析材料の種類、材料の透過性によって異なります。
- Xradia Ultraを使用すれば、シンクロトロン並みの性能を持つナノスケールのX線イメージングが可能になります。
キャプション:松の木の葉の2D再構築スライス。ゼルニケ位相差(ZPC)モード(左)と吸収コントラスト(右)
ラボの研究範囲を広げる
- シンクロトロン並みの性能によって新たな知見を取得できます。シンクロトロン設置施設にアクセスする手間を解消します。ラボにてスケジュールどおりに、同等のナノスケール3D画像が得られます。
- ラボベースのイメージングでは不可能だった4Dおよびin situ研究が可能になります。
- 機械的、熱的、電気化学的および環境的なin situ検査を行えます。
- 相関性のあるワークフローを使用し、他のモダリティ(例えば、ZEISS Xradia Versa、ZEISS Crossbeam、分析用装置)に接続できます。専用のPython APIを含む合理的なユーザーインターフェースにより、イメージング施設の幅広いユーザーに対応します。
キャプション:3Dプリントされたナノ格子構造。In situ圧縮実験の前にゼルニケ位相差で撮影。試料ご提供:R. Schweiger, KIT, DE(試料幅:30 µm)。
シンクロトロン応用型アーキテクチャのメリット
- 線源の特性に合わせた反射型キャピラリーコンデンサーにより、最大フラックス密度で撮像
- 特許取得済みのナノ加工技術(US 8526575 B1およびUS 9640291 B2)により、最高の分解能と集光効率を誇るフレネルゾーンプレートなどの光学系が、研究に大きく寄与
- 低吸収試料のディテールを可視化するためのゼルニケ位相コントラスト用位相リング
- シンチレータに基づいた高コントラスト・高効率の検出器。CCD検出器を光学的に結合し、限られた実験時間の中で最高のシグナルを取得可能
- 試料を回転させながら、様々な投影角度からの画像を収集した後に、3D断層像のデータセットに再構成
アプリケーション
材料科学、生命科学や地球科学など、様々な研究分野でどのように試料がイメージングされているかをご覧ください。
アクセサリ
ナノスケールでのin situ実験
In situテストでのギャップを埋める
材料研究では、非環境条件や外部刺激によって発現する特性を調査します。微細構造の変化を観察し、それを材料の性能と結びつけることを目的とする研究では、in situテストが最適な方法となります。同時に重要となるのは、それらの変化をリアルタイムでイメージングし、バルク特性を代表するボリュームデータを評価することです。
Xradia Ultraは、ナノスケールでのin situ実験やイメージングに最適です。ラボにおいて、バルク特性を示すことのできる試料サイズでありながら、ナノスケール現象を可視化できる分解能で非破壊的に3D構造のイメージングを行うことが可能になります。
本来の環境下で試料をin situ観察
変形現象や破壊がナノスケールの局所的な特徴にどのように関与するかに関する知見を手に入れましょう。既存の機械的テスト法を補完することで、マルチスケールにおいて挙動に関する洞察が得られます。ZEISS Xradia Ultra Load Stageでは、非破壊3Dイメージングにより、圧縮、引張、圧痕などのin situナノメカニカルテストを独自の方法で行うことができます。これにより、50 nmの分解能で、負荷をかけながら内部構造の変化を3Dで観察可能です。
In situ加熱実験の実施
高温下での劣化過程、熱膨張、相転移など、ナノスケールの材料変化を評価できます。ZEISS Xradia Ultra向けNorcada Heating Stageは、試料温度を上昇させた状態で非破壊ナノスケール3Dイメージングを可能にします。MEMSヒーター技術により、空気中で最大500℃まで試料加熱が可能です。また、試料の加熱や試料電圧のバイアスを同一ユニットで行うことができるフレキシブルな設計が採用されています。
LaserFIBによる迅速かつ容易な試料調製のメリット
深部に埋没している場合であっても関心領域(ROI)に素早くアクセスできるほか、ZEISS Xradia Ultraやシンクロトロンでのテスト用に柱状の試料を簡単に作成可能です。ZEISS Crossbeam FIB-SEMと超短パルスフェムト秒(fs)レーザーを組み合わせたLaserFIBの使用により、マルチスケールで相関性のあるワークフローを実現します。過去に取得した3D X線顕微鏡データセットなどを用いてROIを確認し、Cut-to-ROIワークフローでさらなる解析ができます。fsレーザーでミリ単位の切断を行い、Xradia Ultraで分析するための試料を作成します。その後、FIB-SEM機能を活用することで、nmとµmスケールのミリング、トモグラフィ、イメージングおよび高度分析が可能となります。
可視化・解析ソフトウェア:ZEISSが推奨するDragonfly Pro
ORS Dragonfly Proは、X線、FIB-SEM、SEMなどの様々な技術を用いて取得した3Dデータに対し、高度な解析およびビジュアライゼーションが行えるソフトウェアソリューションです。ORS Dragonfly Proは、大型3Dグレースケールデータの可視化・解析に対応する、直感的で完全かつカスタム可能なツールキットで、ZEISSが独占的に提供しています。Dragonfly Proでは、3Dデータのナビゲーション、アノテーション、ビデオ制作を含むメディアファイルを作成できます。画像処理、セグメンテーション、オブジェクト解析を行い、結果を定量化します。
ユーザーフレンドリーなソフトウェアで効率的なワークフローを実現
ZEISSの革新的なScout-and-Scan™コントロールシステムは、サンプルとスキャンのセットアップを合理化し、生産性を向上させます。ワークフローに基づいたユーザーインターフェースが、試料の位置合わせ、関心領域の探索、3Dスキャンの設定などの各プロセスをガイドします。システムメニューでは、同一サンプルの複数回スキャンによってさまざまな関心領域を撮影する設定のほか、異なるイメージングモードの組み合わせが可能です。多様な経験値のユーザーが集う中央ラボにとって最適となる、使い勝手の良いシステムです。上級ユーザーであれば、一体化されたPython APIを使用して、カスタムイメージングタスクやin situ実験への統合化のために顕微鏡システムを完全にコントロールできます。